Story

物語のあらすじ


  その昔この世界には、不思議な力を持つ美しい一人のシスターがいた。

  彼女の名は、ノワール・エ・ブラン。
  彼女の不思議な力とは、未来を先見する力。

  これが、この世界を導き、狂わせた。


  これから先起こる様々な出来事、これから先産まれる様々な人々・・・・・・
  全てはこの彼女によって予言されたことであり、この世界は彼女の手記―預言―の通りに動いていた。

  そこに記されていた事実の中に、このような記述があった。
    [人々は聖なる場所を求めて争いあうであろう。]


  そして、一大帝国とそれに刃向かう王国との長い争いの歴史が始まった。


  未だ終結の見えない戦争に両国は次第に疲弊していき、このままでは共倒れは免れないと思われた。

  そんな争いを止めることが出来る唯一の可能性を持つ者……
    [不思議な力を持つ、身分の高い少女。]


  幸せとは言えない環境で生きてきた青年がはじめて触れるぬくもりは、許されてはいけない暖かさ。
  様々な裏切りが渦巻く中で、ただ真っ直ぐ生きていこうとする少女を飲み込んでいく世界。


    [王国に産まれた青年は、罪の意識を抱きながらも、全てを知ることになるだろう。]

  俺は、誰に祈ったのだろう。
  多くの人を傷つけて、許されない想いを背負って・・・その先に救いはあるのだろうか。

    [帝国に産まれた少女は、数奇な運命に縛られながらも、自身の願いを遂げるであろう。]

  私は、誰に祈ったのでしょう。
  凄く凄く大切な人が、その人と同じくらい大切な別の人に奪われてしまったら・・・救ってくれるのは誰なの・・・?



  必死に追いかけているつもりだった。
  けれど、気がついたら、それ自身に追いかけられていた。


  そんな切ない人間達が紡ぐ、物語。



  全ての終末を見届けるものは、一つの鐘と、零れ落ちた一欠片。